第486章 生け捕り

この男の気配は穏やかだったが、彼もまた半歩武侯であることは明らかだった！

「お前は何者だ？」曲長老は眉をひそめて言った。

男は黙ったまま、両手を後ろに組んで、淡々と言った。「私は薬神閣閣主が気に入らないだけで、正義のために手を貸しただけだ。皆さんには異議はないでしょう。」

「もちろんありません！」曲長老は喜びを隠せなかった。

相手が誰なのかは分からなかったが、薬神閣閣主の敵であれば、彼らの味方だった。

「まだ抵抗するつもりか！今や八人の半歩武侯と対峙しているのだぞ！」許北鋆は冷たく言った。

「八人の半歩武侯が同時に出手するとは、誇りに思うべきだな」賀騰も冷笑しながら言った。

閣主は何も言わず、ただ一撃の鋭い掌で応えた！

「ふん、死に場所も知らないか！」

八人は一瞬のうちに、同時に攻撃を仕掛けた！

無数の光が、夜空を照らした！

閣主は結局、八人の攻撃に耐えきれず、後退を余儀なくされ、喉から血を吐き出した。

「忘れるな、生け捕りだ！」曲長老は冷たく言った。

「一斉に術法を使って、彼女を連れて行くぞ！」

聖儒門の数人は互いに目配せし、空中に浮かび上がり、それぞれ五つの異なる位置に立った！

「ガラガラ！」

彼らの術法の発動とともに、胸から鎖鏈が次々と飛び出した！

これは聖儒門の秘伝の陣法、鎖神陣だった！

五本の鎖鏈が、閣主の四肢と白い首を縛り付けた！

曲長老たちが内勁を込めると、鎖鏈は一気に数丈も太くなった！

「諦めろ、今の貴様には鎖神陣に抵抗する力などない！」許北鋆は叫んだ。

しかし閣主は簡単に降参するような人物ではなかった。彼女が身を動かすと、五本の鎖鏈が大きな音を立てて揺れた！

「まずい！」

閣主の強大な気配の下、五人の半歩武侯は体勢を崩し、揺れ動いていた！

「賀騰、何をぼんやりしている！」この状況を見た曲長老は急いで叫んだ！

賀騰は一歩前に踏み出した。

彼は閣主の前に立ち、淡々と言った。「もし秦玉を引き渡すなら、今でも解毒剤をやろう。」

そう言いながら、賀騰は空中の曲長老たちを一瞥し、笑って言った。「貴様が力を取り戻せば、この雑魚どもなど物の数ではない。」

しかし、閣主は冷たく言った。「同じ言葉を、何度繰り返させるつもりだ？」

賀騰は顔色を変え、冷笑して言った。「ならば容赦はしない！」