第330章 高慢な少女

これが医術の社会的地位である。

秦玉が今回薬神谷に向かう意図は二つあった。

第一に、自分の修行速度を上げるための強力な後ろ盾と資源を見つけること。

第二に、煉薬のための適切な器具を探すことだ。

その日、秦玉は姚青を連れて、薬神閣へと車を走らせた。

薬神閣は桃市に隣接する清河鎮にある。

これは単なる町だが、薬神閣の存在により、毎年清河鎮を訪れる人々が絶えない。

そのため清河鎮の経済は非常に良好で、毎年多大な収入をもたらしている。

秦玉と姚青は飛行機に乗り、すぐに清河鎮近くの空港に到着した。

その後、二人はタクシーを拾い、清河鎮へ向かおうとした。

おそらく清河鎮へ向かう人が多すぎるため、秦玉と姚青が乗車した時、車内には既に乗客がいた。

「運転手さん、既に乗客がいるじゃないですか？」姚青は我慢できずに尋ねた。

運転手は姚青を一瞥して言った。「清河鎮へ行くなら、相乗りは当たり前だよ。でないと、いつまでも待つことになるぞ。」

秦玉は思わず感嘆した。この薬神閣の魅力は、あまりにも大きすぎるのではないか！

「秦さん、私たちもう少し待ちましょうか？」姚青は試すように尋ねた。

秦玉は手を振って言った。「乗ろう、座れるなら問題ない。」

そうして、二人は車内に押し込まれるように座った。

秦玉以外の乗客は、二十歳ほどの少女だった。

少女は二つ結びの三つ編みで、赤い長いドレスを着ており、眉間には小さな桃の花の刺青があり、まるで古代からやってきたかのように見えた。

この少女は無愛想で、秦玉と姚青が乗車すると、顔を横に向けてしまった。

姚青は少女を二、三度見て、にやにやしながら言った。「お嬢さん、あなたも薬神閣に行くんですか？」

少女は何も言わず、顔も向けなかった。

姚青はそれを見ても恥じる様子もなく、むしろ更に調子づいた。

彼は自慢げに言った。「この方が誰か知っていますか？薬神閣の長老なんですよ！地位が非常に高いんです！」

姚青の言葉を聞いて、秦玉は思わず水を吹き出しそうになった。

すると少女もようやく顔を向けた。

彼女は秦玉を一瞥して言った。「薬神閣にはこんなに若い長老はいない。」

「まあ、長老候補というか。」姚青は厚かましい態度を崩さなかった。

少女は眉をひそめ、姚青に対して明らかな嫌悪感を示した。