第293話 罠にはまった！

秦玉を見た董天海の顔色が一変した！

彼は立ち上がって叱責した。「秦玉？なぜお前がここにいる？」

秦玉は冷笑して言った。「どう思う？」

この時の董天海はまだ状況を把握できておらず、怒鳴って言った。「お前、私の薬参を勝手に食べたのか？古大師の前でこのような無礼を働くとは、まさに無法者だ！」

「構わない、この薬参はもともと秦玉に与えるつもりだった。」古太初は淡々と言った。

そう言って、彼は秦玉の方を見て、気遣わしげに尋ねた。「秦玉、こんなに短い休憩で大丈夫か？」

秦玉は笑って答えた。「古大師、今の私の体調は上々です。」

董天海は呆然とした。

秦玉と古太初は深い恨みがあったはずなのに、なぜ手を組んでいるのか？

董天海が呆然としている時、一筋の殺気が董天海に向かって迫ってきた！

董天海の心臓がドキンと鳴り、顔に緊張の色が走った！

「董天海、お前は本当に白を黒と言い張るのが上手いな。」秦玉は冷たく言った。

「あの時、お前は私の九転金丹を騙し取ろうとしたが、自分が見る目がないばかりに逃した。」

「今度は私に濡れ衣を着せようとする！お前に薬王を名乗る資格があるのか？」

董天海は顔を強張らせ、極度の緊張状態にあった。

「九転金丹の情報も、お前が漏らしたんだろう？まさか洪一門と何か繋がりでもあるのか？」秦玉は目を細めて言った。

「お、お前は戯言を！」董天海は慌てて叫んだ。

「戯言だと？」秦玉は顔を冷やし、瞬時に董天海の前に現れた！

大きな手で、董天海の首を掴み、そのまま持ち上げた！

「私はお前に何の恨みもないのに、お前は私を害そうとした！今では私の命まで狙おうとしている！」秦玉は冷たく言った。

「お前のような人間は、死んだ方がいい。」

秦玉は手の力を徐々に強めていき、董天海は息ができなくなってきた！

董天海の実力では、秦玉の前では全く太刀打ちできなかった！

「もういい、秦玉、董天海も一代の薬王だ。もう一度チャンスを与えてやろう。」古太初はゆっくりと言った。

秦玉は古太初を一瞥し、手を放した。

董天海は地面に這いつくばり、必死に新鮮な空気を吸い込んだ。

この死の淵を彷徨う感覚に、彼は怒りと恐怖を感じていた。

「古大師が助命を請うたのだから、もう一度チャンスをやろう。」秦玉は冷笑した。