両者の気の勢いが急速に高まっていく。
二人の間では、激しい衝突が生じていた。
「シューッシューッ」という音が耳に絶えず、周囲は猛風が吹き荒れ、砂埃が舞っていた。
シンギョクは眉間に皺を寄せ、二人がまだ手を出していないにも関わらず、迟封の気の存在が古太初の上にあることをはっきりと感じ取った。
「古太初、死ね!」迟封が叫び声を上げ、一瞬にして体が消えた!ほとんど瞬きする間もなく、彼の拳が古太初の目の前に迫った!
古太初も手を抜かず、拳を上げて応戦した!
「ドーン!」
この大きな衝突で、姚青は弾き飛ばされてしまった!
そしてシンギョクも連続で何歩も後退し、ようやく体勢を立て直した!
古太初の顔色は少々よくなく、この一撃で明らかに彼の手首を痛めた。
一方迟封は、双手を背後に組み、余裕綽々の様子だった。
シンギョクはその様子を見て、急いで前に進み、古太初の前に立った。
「迟封、古先生は毕竟あなたの師匠です。あなたはまさか反逆するつもりなのですか?」とシンギョクは冷たい声で言った。
迟封は冷笑しながら言った。「それが何か知ったことか?俺が古太初を殺したら、次はお前だぞ。」
シンギョクは怒りを抑えて言った。「威を示したいのなら、一週間後、私と戦えろ。」
「シンギョク、お前…」古太初の顔色が一瞬で変わり、シンギョクを少々慌てて見た。
シンギョクは手を振って、古太初の言葉を遮った。
「古先生、私には計画があります。」とシンギョクは言った。
その後、シンギョクは迟封の方を見た。そして言った。「君は勇気があるか?」
迟封は目を細めて言った。「君のおかげでか?君真に忠実な犬ね。また、古太初の代わりに死ぬつもりか?」
シンギョクは冷たく言った。「君はただ、勇気があるか無いかを答えるだけでいい。」
迟封は大声で笑いながら言った。「何を恐れることがあろうか。お前が代わりに死んでくれるなら、私が断る理由はない。何しろ古太初を師匠として仰いでいるのだから。」
迟封は心の中で冷笑を繰り返した。
彼が古太初を殺した場合、恐らく反逆者という汚名を背負うことになるだろう。
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