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第225章 地殺谷の邪術

この黒い巨球は灰冥の頭上でどんどん大きくなり、恐ろしい威圧感が一瞬にして広がった!

江古の顔に緊張の色が浮かび、すぐさま内勁を運転して身を守った。

一方、秦玉は表情を変えることなく、灰冥の技を全く眼中に入れていなかった。

「秦玉、死ね!」灰冥は怒鳴り声を上げ、掌を前に押し出した!

この巨大な黒球は轟音とともに転がり来て、触れるものすべてを粉砕した!

「取るに足らない術だ、この拳で砕いてやる!」秦玉は叫び声を上げ、拳を固く握り、正面から立ち向かった!

「轟!」

巨大な音響とともに、秦玉の拳はこの黒い巨球と衝突した!

その衝撃で部屋全体が粉々に砕け散った!

両者は一時膠着状態となり、黒球は半歩も前進できなかった!

「砕けろ!」

秦玉の雄叫びとともに、巨大な黒球に亀裂が走り始めた!

「轟!」

ついに、黒球は耐えきれず、一瞬にして陰気となって四方に散っていった!

秦玉は冷たい表情で灰冥を見つめ、冷笑いながら言った。「これだけか?」

灰冥は唇を舐めながら、冷笑して言った。「さすが混沌体だ。正直、お前にますます興味が湧いてきたぞ。」

「お前の言う混沌体とは一体何だ?」秦玉は眉をひそめて尋ねた。

これで二度目だった、灰冥の口からこの言葉を聞くのは。

「地獄で聞くがいい!」灰冥は怒鳴り、掌に再び黒球が現れた!

「また来たか?」秦玉は眉をひそめた。

灰冥はこの術が効かないと知りながら、なぜ固執するのか?

「はははは、一つなら耐えられても、十個ならどうだ?」灰冥は狂ったように笑った!

そして手の中の黒球を放つと、すぐさま次の黒球が凝集し始めた!

「ん?」秦玉の表情が僅かに変わり、目に驚きの色が浮かんだ。

この術は消耗が激しいはずなのに、灰冥は次々と放ち続けている!

まさか、彼の体力は無限なのか?

「轟!」

数個の黒球が同時に秦玉の耳元で爆発した!鼓膜が破裂しそうな衝撃!

秦玉でさえ、耳から血を流し始めた!

「このままではまずい」秦玉は表情を引き締め、即座に前進を始めた!

巫師は近接戦を得意としない。術法を使うのが得意なのだ。だから灰冥を遠くに立たせておくわけにはいかない!

「シュッ!」

秦玉は金色の光となって、一瞬で灰冥の目の前に現れた。

巨大な拳が怒涛の勢いで灰冥に向かって打ち込まれた!

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