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487章 閣主と谷沧海_1

薬神閣の閣主が連れ去られたというニュースがあっという間に広がった。

「薬神閣の閣主が負けたなんて、これは残念だ。」

「私の情報によると、当日は半歩武侯が8人も薬神閣を包囲していたらしいぞ!」

「閣主は一人で八人を相手にした。しかも一度も手を汚さずに。そうでなければ、勝者と敗者ははっきりしないだろうね。」

「そうだけど、なんでも閣主は何かの毒に冒されてて、その力の半分も出せてなかったみたいだよ。」

「まさか、薬神閣のこんなに広いつながりの中で、困ってる時には誰も来ないなんて思わなかったよ。」

人々は薬神閣を惜しみつつも議論を重ねていた。

しかし彼らは皆心の中で感じていた。力が強ければ強いほど、その地位も高い。

地位が高ければ高いほど、利益に重きが置かれ、既に彼らの中には何か情感のようなものは無い。

聖儒門。

閣主はどれだけの時間が経ったのか、ようやくゆっくりと意識を取り戻した。

彼女は聖儒門の地下牢に閉じ込められ、周りは真っ暗だった。

しかしその閣主の顔には、驚くほど平静な表情が浮かんでおり、どこにも動揺の色は見えなかった。

ちょうどその時、外から声が聞こえた。

目をやると、曲長老がそっと入ってくるのが見えた。

「おお、目を覚ましたか?」意識を取り戻した閣主を見て、曲長老は冷たい笑みを浮かべた。

「ふふ、君は自分がすごいと思ってたでしょ? なんで今は囚人の身になってるんだ?」曲長老は前に進み、嘲り続けた。

閣主は曲長老を一瞥した後、淡々と言った。「あなた一人で入ってきたのは、死にたいのですか?」

曲長老は驚き、言葉を失った。その次の瞬間、彼の体は横に吹き飛ばされた!

「バン!」

曲長老の体は背後の壁に激しく叩きつけられ、割れた。

血が彼の口角からこぼれ始めた。

曲長老には閣主がいつ、どのように攻撃したのかさっぱりわからなかった。

「私が囚人になっても、あなたのような無能な者が指一本触れることはない。」閣主は淡々と言った。

曲長老は口角からこぼれる血を拭い、憤慨に満ちた声で言った。「何が偉そうだ!私が命じれば、お前はこの牢から出ることなく死ぬことになるのだぞ!」

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