第32章 1000万！

沈天はもちろん、これが普通の薬参だということを知っていた。彼からすれば、百年薬参も普通の薬参も全く違いはなく、すべて詐欺に過ぎなかった。

そのため、適当な薬材店で普通の薬参を買い、綺麗な箱に包んだのだ。

しかし、まさか秦玉にばれるとは思いもしなかった！

「お、お前は戯言を言っている！」沈天は慌てて言った。

「顔お嬢さん、決して彼の言葉を信じないでください。彼は濡れ衣を着せているんです！」沈天は焦って顔若雪の方を見た。

顔若雪は軽くため息をつき、この薬参を手に取り、顔には少し失望の色が浮かんでいた。

沈天はその様子を見て、慌てて汗を拭い、気まずそうに言った：「顔お嬢さん、本当にこれが偽物だとは知りませんでした。私の説明を聞いてください...」

顔若雪は沈天を無視し、代わりに秦玉の方を見て言った：「それなら、捨てましょう。」

そう言うと、顔若雪はその薬参をゴミ箱に投げ捨てた。

「お金がないのは構いませんが、粗悪品を良品と偽るのは、とても嫌らしいですね。」顔若雪は意味ありげに言った。

沈天はその場に立ち尽くし、顔が豚の肝臓のように真っ赤になった。

怒りなのか、恥辱なのか、彼の両肩が微かに震えていた。

秦玉は顔若雪を見つめ、そして笑い出した。

沈天は秦玉を睨みつけ、まるで生きたまま飲み込もうとするかのようだった！

「少し用事があるので、お二人はここで待っていてください。」そのとき、顔若雪が突然言った。

その言葉を残し、顔若雪は直接二階へ向かい、彼女の秘書もその後に続いた。

二階には監視室があった。

顔若雪は監視モニターの前に座り、静かに下階を見つめていた。

「顔お嬢さん、私には...少し理解できません。」秘書はますます困惑していた。

「沈天さんに対して、これは少し残酷すぎませんか？」秘書は遠慮がちに言った。

顔若雪は笑い出した。

彼女は秘書を見上げ、淡々と言った：「あなたは本当に沈天が私のことを好きだと思っているの？彼のような立場の人間は、もはや一人の人間を好きになるのではなく、家族を好きになるのよ。」

秘書は眉をひそめ、言った：「まだ理解できません。お嬢様が秦玉を贔屓にされているのは分かりますが、なぜわざわざ彼のために敵を作るのですか？これは故意に秦玉と沈天の間の対立を煽っているだけではないですか？」