……
半日後。
マシューはスリエルのクリスタルパレスから出てきた。
彼の身体は以前と何も変わっていないように見える。
ただ彼自身だけが知っている。
彼の左右の手首と背中の肩甲骨の間の隙間の皮下に、微細な魔法のキャリアが3つ埋め込まれていることを。
その3つの魔法のキャリアは小指ほどの大きさしかない。
それらはすでにマシューの皮下脂肪と一体化し、外からはまったく痕跡を見つけることはできず、打撲のような痕跡すらない。
また、スリエルの支えにより、マシューと魔法のキャリアの精神力の同調も非常にスムーズに行われた。
スリエルの作業室から出た時。
彼はすでに自由にこの3つの魔法を使いこなせるようになっていた。
これら3つの魔法は、「魔法反射」、「鉄の肉体」、「どこでもドア」である。
宮殿の外の広場で。
マシューは引き戸を開けるジェスチャーをした――
これは、行動と精神的な指示の条件付き反射を強化するためのもので、魔法を施す際の一般的な知識だ。
多くの魔法使いが「どこでもドア」を開くときにこのジェスチャーをしますが、これは必要な行動というわけではなく、関連する記憶をより容易に呼び起こすためだけです。
魔法エネルギは瞬時に調整された。
彼の前には一つのテレポートゲートが出現し、そのゲートの向こう側は広場の100メートル先にあった。
ここは視野が広く、遮蔽物もないので、「ランダムドア」の練習には最適な場所だ。
マシューは楽しげに二つのドアの間を行ったり来たりした。
「ランダムドア」は実際にはクラシックなマルチパーパスの魔法で、逃げるだけでなく、他の目的にも利用できる。
マシューの「ランダムドア」は80秒間続く。
その間、彼は自由に行き来することができる。
「ランダムドア」に卵や石(投擲物)、火の玉や水柱(弾道型の形成する能力の魔法)を投げ入れると、それらは反対側から出てくる。
マシューは魔法図書館で「ランダムドア開発ガイド」を買ったことがある。
その中には、「ランダムドア」の使い方が300以上列挙されている。
門越えの魔法や、門の裏での罠の準備、チームメイトのランダムドアへの配置など、陰険な使い方を除いても。
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