葉子は全身の血が凍りついたような感覚だった。
左側の暗闇からゆっくりと二つの陰影が現れ、その姿は巨大で奇妙でよく見る悪獣の形には似ていなかった。もっと近づいてみると、葉子はそれが人間の形をした生物が混合種を騎乗していることに気づいた。彼らの体格は大きく、正常な人間の二倍ほどで、鎧は身に着けておらず、何の素材で作られたものか分からない服を着ていた。それを被服と呼んでいいのかどうか、むしろ肥大化した動物の皮膚のようだった。頭から足までしっかり包まれており、多くの箇所が膨らんでいた。
一際目立つのは二人が付けている頭元であった。それは明らかに悪獣の頭蓋骨を改造したもので、恐ろしい姿をしていた。頭蓋骨の眼窩はくり抜かれ、赤褐色の水晶石で縫い合わせられていた。頭具の下部から継ぎはぎだらけの皮製の管が突き出しており、それが後ろの大きなカラパスに引き継がれていた。一人の乗馬者には数本の長槍が刺さっており、もう一人は奇妙な形状の鉄の手袋を着けていた。形状から判断して、彼らの指は三本しかない。
葉子の心を駆け巡ったのはたった一つの言葉であった。「悪魔」。
「敵を迎え撃て!」
ハカラが一番に反応を示し、彼女の刺耳なる悲鳴が皆の注意を敵の身体に向けさせた。石の女性が地面を押し、足元の雪を柔らかい沼地に変えた。これは非常に正確な対応だった。敵の乗馬者の下にいるのは狼頭双翼混合種で、素早く動き、短距離を飛翔することもできる。しかし、この二体はそれができない。翼はすでに切り落とされ、見える骨には麻繩が繋がれ、悪魔の手に握られていた。沼地を飛び越えられなければ迂回せざるを得ず、それが他の姉妹たちに反応する時間を稼いでくれるだろう。
しかし、敵は魔女たちが思う通りには行動せず、彼らは悪獣を前に追い立て、沼地に突っ込んだ。それから、その勢いを利用して悪獣の背中から飛び上がり、数丈の距離を飛んで石の女性の後ろに着地した。そこは、非戦闘型の姉妹たちが集まっている場所だった。
Soutenez vos auteurs et traducteurs préférés dans webnovel.com