第158章 卑劣な周通！

秦玉のその言葉で、楊老者も安心した。

しかし実際のところ、この時の秦玉の心の中には十分な自信がなかった。

昨夜から今まで、秦玉の実力は三割ほどしか回復していなかった。

一旦霊気の支えがなくなれば、秦玉の煉丹手法は急激に低下してしまう。

「大丈夫なはずだ」秦玉は台上の人々を見つめながら、小声で呟いた。

時は飛ぶように過ぎ、選抜は一回また一回と進んでいった。

そして周通のあの弟子は常に会場に残り、圧倒的な強さで勝ち進んでいた。

午前中いっぱいかかって、ようやく選抜が終わった。

周通の弟子の他に、最終的に三人の選手が決まった。

秦玉を加えて、合計五人で選抜を行うことになった。

昼休みになり、秦玉と楊老者は適当な場所を見つけて昼食を取った。

その時、周通は他の審査員たちと弟子と共に食事をしていた。

「羅建、早く入って座りなさい」周通は弟子に手を振って言った。

羅建と呼ばれた青年は急いで個室に入り、丁寧に一同に挨拶した。「審査員の皆様、お目にかかれて光栄です」

「ははは、羅君、そんなに堅苦しくしなくていいよ」

「そうだよ、君の手法には本当に驚かされたよ」

「その通り、この手法は師匠の周通にも劣らないものだ！」

周通は誇らしげに言った。「実を言うと、羅建はもう青は藍より出でて藍より青しの境地なのです！」

羅建は横で黙っていたが、顔には誇らしげな表情が浮かんでいた。

食事が終わると、審査員たちは先に帰っていった。

周通は羅建を引き止めて、真剣な声で言った。「羅建、秦玉という者に特に注意するように。あの男は只者ではない」

しかし羅建は全く気にしない様子で言った。「知っています。ただの武士です。取るに足らない相手です。私なら労せず勝てます！」

周通は深刻な表情で言った。「羅建、私は君の実力を信じているが、この秦玉という男は只者ではない。全力で戦うんだ、分かったか？師匠も陰ながら助けよう」

羅建は軽く笑って言った。「師匠、言ったでしょう。私は助けなど必要ありません。労せず勝てるんです！」

周通は眉をひそめ、何か言おうとした時、羅建は手を振った。

そして、羅建が手のひらを広げると、そこには小さな炎が宿っていた。

その炎を見た周通の瞳孔は一瞬にして開いた！体も思わず真っ直ぐに立った！