第403章 彼の実力！（2度目の更新！）

「母さん、もういいよ。ここで百里雄の娘と知り合ったから、少しは期待できるはずだ」

江姵蓉は葉辰がそう言うのを聞いて、もう何も言わなかった。

物事には、辰が経験してみないと、その困難さが分からないものがある。

百里雄の気性は江老爺に劣らず、辰が虎口から餌を奪うようなことは天に登るより難しい。

翌日の午前、京城師範大学。

葉辰は雷樹偉から電話を受け、校門に向かった。

出発前に、母親に大量の丹薬と武術の技を渡した。母が修行の道を決意したことを知っていたので、最高のものを与えることで、母の夢を支援しようと思ったのだ。

校門に着くと、特別仕様の紅旗L7リムジンが外に停まっていた。非常に控えめな外観だったが、多くの人の注目を集めていた。

紅旗車のドアが開き、雷樹偉が中にいた。

彼は葉辰に手を振って「葉先生、こちらです」と声をかけた。

葉辰は頷いて車に乗り込み、車は直ちに南へと向かった。

「葉先生、一つ重要なことを先に申し上げておきます。これからお会いする方とお会いになった際は、どうか自制していただきたいのです…」雷樹偉は注意を促した。

彼は葉辰を恐れていた。この男は強い実力の持ち主だが、厄介な一面があるのだ。

葉辰は頷いて「分かっている。もちろん慎重に対応する。ただ、その方が私に答えを与えてくれるかどうかだ」と言った。

雷樹偉は長い息を吐いた。「葉先生がそうおっしゃるなら安心です」

葉辰は何かを思い出したように「雷樹偉、百里雄についてどれくらい知っているか？」と尋ねた。

雷樹偉はその名前を聞いて、目に驚きの色を浮かべた。もしかして葉先生と百里雄に確執があるのだろうか？

もしそうだとすれば、本当に厄介なことになる！

相手は決して軽く見られる存在ではないのだから。

「葉先生、これは…」

葉辰は雷樹偉が誤解していることを知り、「ただの質問だ。確執があるわけではない。ただその人物が相当な実力者だと聞いただけだ」と説明した。

雷樹偉は胸の石が下りた思いで、運転席の男を一瞥してから、小声で「実力で言えば、百里雄は私をはるかに上回ります！

百里家は名高い武道の家系です！誰も揺るがすことができません。