第128章 あなたへの借り！（3連続更新、推薦票募集～）

……

幸い薬材は十分にあり、百草鼎の助けもあって、それほど時間はかからないはずだ。

百草鼎から次々と漂う薬の香りが、部屋全体を包み込んでいた。

葉辰は修為も上がっているような気がした。

「百草鼎は確かに並の物ではない。数億で買い取ったのは間違いなく大当たりだ！」

その頃、大都マンションでは。

孫怡は仕事を終えて直接帰宅したが、家には誰もいなかった。

以前の三人での賑やかな生活と比べると、今のマンションは寂しすぎた。

葉辰は昼間に夏若雪が母親に連れて行かれたことを彼女に伝えており、それは理解できた。

しかし、なぜ葉辰も帰ってこないのか理解できなかった。

また出かけたの？どうして一言も言ってくれないの？

孫怡はマンションでテレビを見ながら待っていたが、夜11時になっても葉辰は帰ってこなかった。

我慢できずに電話をかけたが、誰も出なかった。

「この人、何か起きたんじゃ……」

孫怡の心配は募るばかりだった。この数日間、あまりにも多くのことが起きていたから。

葉辰と天正グループを狙う人は少なくなかった。

孫怡は考えれば考えるほど不安になった。認めたくはなかったが、葉辰は確実に彼女の心の中で重要な存在になっていた。

いつの間にか、彼女はこの男の存在に慣れてしまっていた。

孫怡はリビングを行ったり来たりし、眉をひそめ、心配そうな様子だった。

突然、何かを思い出したように、急いで部屋から精巧な鍵を取り出した。

これは以前、タクシーの中で湯臣一品について話した時に、葉辰が彼女にくれたものだった。

彼女はずっと葉辰が冗談を言っているのだと思っていたが、その後起きた出来事から見ると、葉辰には本当にその実力があるようだった。

「この人、本当に湯臣一品に部屋を持っているの……」

天正グループの現在の登録資本金は1億で、葉辰が100%株式を保有している。

しかし湯臣一品の不動産価格は1億をはるかに超えている……

重要なのは、当時この人が彼女にこの鍵をくれた時、無一文どころか、彼女から3000元借りたことさえあったことだ。

何かに取り憑かれたように、孫怡は湯臣一品にやってきた。鍵を見せると、警備員たちは笑顔で迎えてくれた。

エレベーターに乗り、最上階へ直行した。

すぐに大きな扉の前に着いた。彼女は震える手で鍵を差し込んだ。