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第163章 野球チームの新コーチ_1

翌日、北原秀次が学校に来た最初の事とは、内田雄馬に鈴木希の詳細な状況を探らせることだった。内田雄馬はそうした他のことは不得手だけど、情報を集めるのは一手間有る。そして内田雄馬も相当な注意を払い、何せ北原秀次が自主的に彼に何かをさせるなんて滅多に無いからだ。胸を張って、すべての人脈を動員し、鈴木希の先祖の18代まで問いただすことを誓った。

しかし、放課後になっても内田雄馬は何も手に入れることができず、鈴木希が以前どの中学に通っていたかさえ聞き出せなかった。その瞬間、彼は大いに面を失った感じがした。北原秀次もこれには困惑していて、学校では数人の知り合いしかいないから、何かを聞き出すためには基本的に内田雄馬に頼るしかない。数回彼を慰めて、再び努力するようにと告げた。

内田雄馬は、これは自分の名誉に関わることだと決意した。彼の名誉がお金にはならないかもしれないけど、それでもこんなにぞんざいに扱うわけにはいかない。彼は放課後にクラブのトレーニングに参加することになっていたが、それでも一路でメールを送り続けた。自分が知っている人には全部で二つ質問し、野球部についても同級生のチームメイトに優しく笑顔で質問した。しかし、鈴木希についての理解はあいまいだった。

彼の友達が誰なのか誰も知らない。彼がどの中学から高校に上がって来たのか、誰も知らない。彼の家族が何をしているのか誰も知らない。まるで彼の人生は高校から始まったかのようで、元来は誰も彼に印象を持っていなかった。

内田雄馬は少し困っていた。明日、北原秀次に報告をしなくてはいけないのだが、うまく行く気がしない。野球のユニフォームに着替えて球場に着いたところ、すぐに集合の声が聞こえてきた。彼は急いで球場の一角に駆けていったが、すでに人々が集まっている場所に到着した。

彼は人ごみの中に入らずに外側から聞き入るが、すぐに一つの名前が彼の注意を引いた。「……今日から一年生の鈴木希さんがチームのマネージャー兼記録員を務めてくれることになりました。皆さんも今後は……」

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