第279章 燕江の真の実力

その見慣れた姿を見て、秦玉の顔に驚きの色が浮かんだ。

「燕江？」秦玉は目の前の男をぼんやりと見つめた。

燕江は秦玉を一瞥し、冷たい声で言った。「横に退け。」

しかし秦玉は心配そうに言った。「この三人は皆、大宗師の頂点だ。お前一人では対抗するのは難しいだろう。」

そう言うと、秦玉の体から金色の光が燃え上がり、素早く燕江の横に立った。

秦玉の気配を感じ取った燕江は、皮肉めいた笑みを浮かべて言った。「なかなか進歩したな。」

秦玉は苦笑いして言った。「こんな時に、そんな無駄話はよせ。」

燕江は両手を後ろに組み、冷たく言った。「お前は横に退け。何かあれば、お嬢様が許してくれない。」

「この三人なら、私の目には何とも映らない。」

話している間に、燕江の気配が突然爆発的に広がった！

その強大な気配は、秦玉を数歩後退させるほどだった！

これには秦玉も顔色を変えた！

燕江の実力...こんなにも恐ろしいものだったのか？

彼は今まで、どれほど力を抑えていたのだろう...

遠くにいた三人も、顔色を変えずにはいられなかった。

彼らは燕江を冷たい目で見つめ、警戒しながら言った。「お前は何者だ。」

「お前たちが知る必要はない。」燕江は冷たく言った。

「とにかく、今日お前たちは炎国に侵入した。ここで死ぬことになる。」燕江が一歩踏み出すと、地面には大きな穴が開いた！

秦玉は顔色を激しく変え、心の中で極度の衝撃を受けた！

明らかに、燕江の実力は秦玉の想像をはるかに超えていた！

三人の顔色はますます険しくなった。彼らは秦玉の側にこのような高手がいるとは全く予想していなかった。

「無礼を働いてしまった。今すぐ退散する。」三人は退く意を示した。

そう言い残すと、三人は踵を返した。

しかし、燕江は大きく手を振った！

二人がかりでも抱えきれないほどの太い大木が、轟然と倒れ、三人の前を遮った！

「言っただろう。来た以上は、もう帰れない。」燕江は冷たく言った。

三人は怒りを覚えたようで、燕江を冷たい目で見つめながら言った。「お前も我々も大宗師の頂点。本気で戦えば、お前が我々の相手になるとは限らない。なぜそこまで追い詰めるのだ。」

「そうか？ならば試してみるがいい！」燕江はもはや言葉を費やさず、足で地を震わせると、その姿は空中から消えた！