第163章 互いの探り合い

周通は驚いた。自分が逮捕されるなんて？

数人が前に歩み寄り、周通を逮捕しようとした。

その時、周通は大声で叫んだ。「私はあなたたちの上司の友人です。彼に電話をさせてください！」

数人は急がず、その場に立ち止まり、頷いて言った。「どうぞ」

周通は携帯を取り出し、電話をかけた。

電話が繋がると、周通は慌てて言った。「方さん、これはどういうことですか？あなたの部下が私を逮捕しに来たんですが？」

方さんと呼ばれた男は冷笑して言った。「お前が法を犯したんだ。お前を逮捕しないで誰を逮捕する？」

周通の表情が再び変わり、慌てた様子で言った。「方さん、あ...あなたは何を言っているんですか！」

「何を言っているかだと？ふふ、周通、お前はもう終わりだ！」そう言うと、方さんは電話を切った。

周通の心に絶望が広がり、両足の力が抜け、ドサッと地面に座り込んだ。

数人は何も言わず、前に進み出て、周通の腕を掴んで外へ連れ出した。

突然の出来事に、現場は水を打ったように静まり返った。

つい先ほどまで高い地位にいた会長が、今や囚人となり、人々は深いため息をついた。

その後、協会署からの数人が秦玉の前に歩み寄った。

「秦さん、上層部の決定により、あなたに中医協会の会長職を担当していただくことになりました」と数人が言った。

秦玉は頭を掻きながら言った。「この中医協会の会長を辞退することはできませんか？」

数人はその言葉を聞いて、苦笑いしながら言った。「多くの人が命を懸けてでもなりたがっている会長職を、あなたは断るんですか？」

秦玉は仕方なく言った。「私は自由な生活に慣れていて、誰かに管理されるのは本当に嫌なんです」

「秦さん、それは署長に直接お話しください。私たちは伝言を伝えるだけです」と数人は首を振りながら言った。

その言葉を残し、彼らはその場を去った。

「秦さん、新会長就任おめでとうございます！」

「これからは秦会長と呼ばせていただくべきでしょうか？」

「秦会長、これは私の名刺です。何かございましたら、どうぞお申し付けください！」

多くの人々が秦玉に取り入ろうと駆け寄り、極めて低姿勢で接した。

明らかに、秦玉は会長職のエネルギーを過小評価していた。

彼は公的組織には属していないものの、持っているエネルギーは非常に大きかった。