第358章 何という力！（1更！）

葉辰の出現は、血梅殿本部の人々にとって、まさに晴天の霹靂だった！

血梅殿が存在して以来、暗殺対象が自ら血梅殿に来るなど、前代未聞のことだった！

こいつは命が惜しくないのか？

群衆が動揺し、殺気が一斉に葉辰に向かって集中した。

陸寒霜は我に返り、その瞳には諦めの色が浮かんだ。

彼女は今日、すでに精一杯葉辰に警告していた。

それなのに、こいつは死に急いでいる。

彼女は葉辰が血梅殿本部の住所を尋ねたのは、ただ彼女の前で見栄を張っているだけだと思っていた。

今になって分かった、こいつは本当にバカだと。

「はぁ。」

陸寒霜は心の中で深いため息をついた。彼女は葉辰が江南省で台頭してきた様子を見てきただけに、今、血梅殿で命を落とすことになるのは、多少惜しく感じた。

彼女の父親である陸凌峰も同様だった。

その目には葉辰に対する諦めの色が浮かんでいた。

壇上の戦濤は口元に笑みを浮かべ、一歩踏み出して壇下に降りた。

彼の後ろには四つの影が続き、同じく降りてきた。それは血梅殿の四人の恐ろしい気配を持つ長老たちだった。

群衆は道を開け、彼らのために通路を作った。

両側の殺気は戦濤の守護となったかのようだった。

血梅殿の殿主戦濤が葉辰から十メートルの距離で立ち止まった。

「外の血梅殿の強者たちは、全てお前に殺されたようだな。」

葉辰は何も言わなかった。

「パチパチパチ！」

戦濤は拍手を始め、皮肉な口調で言った。「葉辰、認めざるを得ない。お前は私が見た中で最も驚異的な天才だ。我が血梅殿の多くの強者がお前の手にかかり、お前の実力は、確かに強い。もし我々が敵対関係でなく、恩讐もなければ、友人になれたかもしれないな。」

葉辰は両手をポケットから出し、背後で組んで言った。「第一に、死人に私の友人になる資格はない。第二に、お前は無駄口が多すぎる。」

戦濤は少しも動揺を見せなかった。彼の目には、葉辰がここに足を踏み入れた時点で、すでに結末は決まっていた！

もしこれだけの人数で一人の若造も始末できないのなら、血梅殿は華夏で活動する資格などない！

「葉辰、我が血梅殿も非情な者ではない。お前が域外の物を持っているのは知っている。それを私に献上し、それから跪いて謝罪すれば、完全な死体で返してやることを考えてもいい！」