第191章 取引！（4更！）

「誰だ！」

葉辰は立ち上がった。

この件は当時の雲湖山荘に関わることで、葉辰にとって非常に重要だった！

雷樹偉は携帯を取り出し、操作して画面に写真を表示させた。

彼は携帯を差し出し、真剣な様子で言った。「葉さん、この人物は鐘偉山といいます。5年前、彼が当時の件を処理していました。雲湖山荘の件は彼が全権を持って担当していたのです。」

「鐘偉山は、今どこにいる？」葉辰は尋ねた。

この質問を聞いて、雷樹偉は少し躊躇した。

しばらくしてから言った。「実は、この鐘偉山も悲惨な運命を辿りました。3年前、息子の結婚式の日、本来は喜ばしい出来事だったのですが、その日、息子の嫁が何者かに汚されてしまいました。そのショックで、嫁は川に身を投げました。

息子も怒りのあまり唐家を探しに行きましたが、犯人を見つける前に、原因不明の転落死を遂げました。

鐘偉山は二重のショックを受け、何十年もの冷静さが一瞬にして崩れ去りました。彼は自分の手段で報復を試みましたが、悲惨な代償を払うことになり、全ての修為を失って廃人となり、さらに独房に送られました。」

葉辰の瞳が鋭く光った。「その唐家というのは、まさか唐傲のことじゃないだろうな？」

雷樹偉は頷いた。「唐傲は家主で、恐ろしい実力の持ち主です。鐘偉山一家には手が出せるような相手ではありません。

はぁ、鐘偉山は生涯汚点のない人生を送ってきたのに、退職間際でこんなことになってしまうとは。

これも最近、雲湖山荘の件を調査していて分かったことです。」

葉辰の瞳に冷たい光が宿った。

江南省でこのような事件が起きていたとは思いもよらなかった。

鐘偉山はどう考えても一人の父親だ。自分の息子と嫁が唐家に殺され、幸せな生活が破壊された。このショックは余りにも大きすぎた。

葉辰は机を一撃し、怒声を上げた。「お前たちはこの件を放置するのか？」

雷樹偉は溜息をつきながら言った。

「鐘偉山のような事件は、たくさんあるんです。」

「唐傲の息子、唐元軒が処女を汚し、全ての証拠を消し去ったんです。どうしようもありません。」

「私も唐傲の息子に手を出したいところですが、3年も経過し、証拠も証人もいなくなってしまいました。この件は鐘偉山一家の言い分だけで、どうやって逮捕できるというのでしょう？」