第15章 うわっ！目が覚めた！

全員が五千万を聞いた時、表情が一変した！

狂人！

完全なる狂人！

六千万で一つの命を救うのは損か？

もちろん損じゃない！むしろ大儲けだ！

でもそれは治せることが前提だ！

これは末期がんだぞ、世界的に認められた不治の病なんだ！

葉辰はポケットに両手を入れたまま言った。「考える時間は3秒だ。私の時間は貴重だ。治療しないなら帰るぞ。3...2...」

「治療して！お願いします！」沈の母親は叫ぶように言った。

もう後がない。たとえ目の前の若者が詐欺師だとしても、もう諦めるしかない。

「よし」葉辰はその部屋に向かって歩き出した。「一千万を用意しろ。まず第一段階の治療を行い、彼を目覚めさせる。その間、誰も部屋に入ることは許さん！」

そう言うと、彼は扉を閉め、呆然とする人々を残した。

数秒後、全員がようやく我に返った。

「この人、本当にお父さんを助けられるの？」沈夢佳は自信なさげに言った。

「ふん、機械で検査済みだ。心電図も止まってる。父さんはもう死んでるんだ。そんなやつを信じるなんてバカげてる。どうやって父さんを目覚めさせるのか見てやろう。できなかったら詐欺で告訴してやる！」沈夢竜は這い上がりながら怒りを露わにした。

邱医聖も説明を加えた。「一時間前に私も患者の状態を確認しましたが、生命の兆候は全くありません。医学的にはすでに死亡しています。期待せずに、後事の準備をされた方がよろしいかと」

沈の母親は閉ざされた扉を見つめたまま、何も言わなかった。彼女の両手は震えていた。奇跡を願っていた！

部屋の中。

葉辰はほぼ息絶えた沈海華を見ながらつぶやいた。「お前も運がある。最後の瞬間に俺に出会えたんだからな。老人から教わった通天医術なら、お前を黄泉の国から引き戻せる！」

言葉が落ちると、葉辰は《九天玄陽決》を運転し、淡い黄色の真気が丹田から溢れ出した！そしてゆっくりと彼の指先に集まっていった！

次の瞬間、彼の指が素早く動き、印を結んだ！

「天地玄黄、魑魅魍魉、陰魔還陽陣！起！」

葉辰の丹田から真気が急速に抜け出し、彼の周りには金色の陣が形成された！

陣は徐々に縮小し、最後には葉辰の手の中に収まった！

「行け！」

葉辰は陣を沈海華の体に叩きつけた！

次の瞬間、不思議なことが起こった。沈海華の体が宙に浮き上がったのだ！