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リルーン草

ジャスミンの視点

女王の前から離れると、私は深呼吸をした。

今起きたことが信じられなかった。

女王は私を別人と間違えたようだった。

女王は非常に美しかったが、悲しみの表情を浮かべていた。

その悲しみを取り除いてあげたいと思った。

黒髪の女性が女王を母と呼んでいたので、彼女は女王の娘だったのだろう。

私と同じ炎のような赤毛の少女は、女王をおばあちゃんと呼んでいた。コーラル姫の娘だと思う。

王を除く王族全員に会ったことになる。

彼らについては良いことも悪いことも聞いていた。

でも女王が娘を亡くしたということは聞いたことがなかった。

私も赤毛だったので、女王が似ていると思ったのは納得できる。

おそらく女王の娘も赤毛だったのだろう。

同情せずにはいられなかった。

私はため息をつき、仕事に戻った。

次々と狼群が城にやってきた。

召使いたちが彼らを部屋に案内しようと奔走し、大騒ぎだった。

私はできるだけアレクサンダーを避けようとした。

彼が怖かった。今や私の秘密を知っているので、少しでも気に入らないことがあれば利用されかねない。

そして父からの指示を思い出した。

キタニアという鳥を呼んで情報を得るようにと言われていた。

狼群に来て2ヶ月近くになるが、まだ何の報告もしていない。

父はきっと怒っているだろう。

「キタニア」と私は言った。

今は午前中の遅い時間だった。古い廃墟となった時計塔があり、日没までにそこに行けば、フクロウが私を見つけるだろう。

仕事に戻ると、リサに出会った。彼女は私をじろじろ見ていた。

ミヤは静かで、他の給仕の女の子たちは私を無視した。

自分の部屋に戻ると、ローレンが怒りながら薬水を調合していた。

「大丈夫ですか?」と私は尋ねた。

「大丈夫なわけないだろう!」彼は私に向かって怒鳴った。「あの忌々しい狼群とアルファたちがやってきて、彼らの数々の病気まで持ち込んできやがった」

「なぜあなたに薬を求めるんですか?」と私は聞いた。

「俺が最高の治療師だからさ」ローレンは自慢げに言った。

まったく、治療師はみな同じだ。

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