第31章　ポーション

　ダン・スミスはその灰色の瞳でまっすぐクラインを見ると、一分もの間、そのまま黙って見つめていた。

このような無言の視線を受けても、クラインは決して委縮することなく、その目を逸らさず真剣に相手を見つめ返していた。

ダンはついに口を開き、感情のない重苦しい声色でこう言った。「わかっていると思うが、一度ポーションを使ったら、もう後には戻れない。」

クラインは笑って言った。

「わかっています。でも私は、自分の心の声に従うことにしました。」

まず、「眠らぬ者」は自分の要求に合わなかった。「タロット集まり」の説明からすると、「観衆」もそうだった。他の超越的な経路はいつ出会えるかわからず、それを待っていては間に合わないので待つ必要がないと。同じ理由で「死体収集者」も排除され、残ったのは「秘密を覗く者」と「占い師」の二択だけだった。

序列のポーションはみな同等の危険性があるのは前提として、それ以上の情報が得られない以上、「秘密を覗く者」と「占い師」がどちらも要求に合っているという事実を前にして、ロッセール大帝が適当に書いたものかどうか、「学徒」、「盗賊」、「占い師」を選ばなかったことを後悔しているのが本当かどうかにかかわらず、自分の心の天秤を傾けるのに十分だった。

そしてノートの内容から見るに、「消化する」ことと「演じる」ことの神髄さえ理解すれば、ポーションの負の影響を最小限にすることができるようだ。それに、人を狂気と堕落に陥れるあの囁きや幻の誘惑は、超越者にはならなかったとしても触れているものだ！

「わかった。」ダン・スミスは立ち上がると、低めシルクハットを手に取って被りながら言った。「地下に行く、ついて来てくれ。」

クラインは頷くと、感謝を込めて丁寧に礼をした。

タッタッタッ、と二人が階段を下りる足音が、静まり返った階段や通路に響いていた。

クラインはにわかに緊張し始め、何か話題を見つけようとこう言った。