夏航の顔色は酷く悪かった。何が起きたのかはっきりとは分からなかったが、今の自分では秦玉にはもう何もできないことは分かっていた。
「京都武道協会にはこれだけの資源があるのに、結局お前は無能だな」と秦玉は首を振って言った。
夏航は冷たい目で秦玉を見つめ、「秦玉、お前は俺の機縁を台無しにした。まだ何がしたいんだ」と言った。
「まだ何がしたい?」秦玉は眉を上げ、冷笑して言った。「もちろん、お前を殺すことだ」
夏航の目には険しさが宿っていた。
彼は目を細めて言った。「俺を殺す?俺は...」
「もういい、自己紹介はいらない。興味ないし、それに、お前が天帝様だろうと関係ない」秦玉は夏航の言葉を遮った。
夏航の顔には怒りが増していき、彼は頭を上げて怒鳴った。「秦玉、お前は人を侮り過ぎだ。この夏航を甘く見るなよ!」
夏航の怒号と共に、竜脈の上で霧のような気が一斉に噴出した!
一瞬のうちに、まるで竜脈の天地の力全てが夏航に吸収されたかのようだった!
見渡すと、空中に一匹の真龍が凝集していた!
この竜脈の力で作られた神龍は、まるで自分の生命力を持っているかのようで、暗い瞳で冷たく周囲を見回していた。
その気配は人々を戦慄させ、その場で跪く者まで出た!
秦玉でさえ、この神龍から異様な感覚を覚えた。
それは、まるで抗いがたい神力に直面しているかのような感覚だった!
夏航は荒い息を吐きながら、歯を食いしばって言った。「秦玉、人を追い詰めすぎるな。後で会うこともあるだろう。本当に俺を追い詰めるつもりか!」
秦玉は夏航を一瞥し、冷たく言った。「無駄な話はやめろ。お前が俺の丹田を壊した時、少しでも余地を残そうと考えたか?」
「よし!」
夏航はもう言葉を発せず、指を噛んで血を出し、指を弾いて一滴の精血を神龍の体内に落とした!
瞬時に、竜脈の力で作られたこの神龍は、色を帯びたかのようだった。
「死ね!」
夏航の怒号と共に、神龍は一気に秦玉に向かって突進してきた!
秦玉はこの神龍を見つめ、冷笑して言った。「所詮は生命のない霊体に過ぎん。本当に俺が怖いとでも思っているのか!」
言い終わると、秦玉は両拳を握り、正面から立ち向かった!
「轟!」
巨大な衝突が起こり、衝突した瞬間、秦玉の表情が変わった!
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