五長老は時間を計算し続けていた。
彼は分かっていた。もしこれらの薬師たちが本当に去ってしまえば、薬神閣は完全に崩壊してしまうことを。
これは閣主様の心血なのだ!
そのため、五長老は悪名を背負うことになっても、これらの薬師たちを留めておかなければならなかった!
「よくやった」大長老は五長老の肩を叩いた。
五長老は何も言わなかった。
同じ長老とはいえ、大長老は執法長老であり、実力の象徴だった。彼には対抗できる存在ではなかった。
薬師たちは一時的に落ち着いたものの、彼らの心の中では大長老を認めていなかった。
閣主楼の上。
大長老は身を躍らせ、上へと飛び上がった。
かつて閣主が座っていた場所に腰を下ろし、籐椅子を優しく撫でながら、言い表せない満足感を浮かべた。
「これが閣主の感覚というものか」大長老は揺り椅子に座り、遠くを見つめながら静かに言った。
ここに座れば、清河鎮全体を見渡すことができる!
この高みに立つ感覚に、大長老は一時我を忘れていた。
しばらくそこに座っていた後、大長老は立ち上がって外へ出た。
彼は薬神閣の片隅にある一室へと向かった。
ここは薬神閣の禁閉室で、今では二長老を閉じ込める牢獄となっていた。
「まだ考えを改めないのか」大長老は血まみれの二長老を見ながら、冷ややかに言った。
二長老は目を見開き、歯を食いしばって言った。「お前は裏切り者だ、人間じゃない、畜生だ!」
「閣主があれほど信頼していたのに、こんな裏切り行為をするとは、お前は報いを受けるぞ!」
大長老は怒る様子もなく、穏やかに笑って言った。「姬羽紅はもう過去の人だ。今日からは、この私が薬神閣の閣主だ」
「もう過ぎ去った人のために、こんな苦しみを受けて、それが価値あることなのか?」
二長老は冷ややかに笑って言った。「早まるなよ!秦玉がすぐに修行から戻ってくる!」
「彼が戻ってきたら、お前は必ず死ぬことになる!」
大長老は大笑いして言った。「私が彼を恐れると思っているのか?彼は偏愛を受けた下層民に過ぎない、私の相手になどなれるはずがない」
二長老は歯を食いしばって言った。「秦玉が半歩武侯の境に達すれば、お前は必ず死ぬ!」
「そうか?見せてもらいたいものだ」大長老は不気味に言った。
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