「くずが?誰をくずと呼んでいる?」韓一龍は章華を怒りの目で睨みつけ、顔色は青ざめていた。
章華の顔色が一瞬にして変わった!
韓一龍も内勁大師だったことを忘れていた!
そう思うと、章華は慌てて言い直した。「韓若様、この秦玉がどうしてあなたと比べられましょうか?同じ内勁大師とはいえ、あなたは韓家の方!あなたの実力は間違いなく秦玉の上ですよ!」
「この秦玉なんて、下水溝に住む虫けらに過ぎません。あなたと比べるなんて、あなたを汚すようなものです!」
章華はお世辞を言うのが上手かった。
韓一龍の表情は明らかに和らいでいた。
「韓若様、ご安心ください。このやつは私にお任せを!」章華は胸を叩いて言った。
章華からは殺気が立ち込めていた。明らかに、韓一龍の前で実力を見せつけ、この大樹に縋りつこうとしていた。
秦玉は動揺する様子もなく、冷ややかな目で章華を見つめ、出手の構えを見せていた。
「待って」
そのとき、方悦が突然笑みを浮かべながら出てきた。
彼女はまず韓一龍の前に進み出て、軽く会釈をして言った。「韓若様にお目にかかれて光栄です」
韓一龍は方悦を見つめ、目が釘付けになった!
美しい!あまりにも美しい!
この方悦の持つ気品は、彼が遊んできた妖艶な女たちとは全く異なっていた!まさに抗いがたい魅力!
韓一龍は唾を飲み込み、方悦の体を目で貪るように見つめた。
人が多くなければ、韓一龍はおそらくすぐにでも飛びかかっていただろう!
「方お嬢さん、何かご用でしょうか?」章華が尋ねた。
方悦は章華を無視し、笑みを浮かべながら言った。「韓若様、秦玉は内勁大師に過ぎません。あなたも内勁大師です」
「そして...韓家の背景は、秦玉ごときが比べられるものではありません」
「韓家の若様であるあなたの功法は、当然秦玉をはるかに超えているはず。どうして下僕に手を下させる必要があるのでしょう?」
傍らの章華の顔が真っ黒になった!
この方悦が自分のことを下僕と呼んだのだ!
韓一龍は顎を撫でながら、薄く笑って言った。「方お嬢さんの言う通りですね」
「若様」彼の側にいた二人の老人が慌てて一歩前に出て、心配そうな様子を見せた。
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