彼らの言葉を聞いて、楊菁は唖然とした。
さっきまで自分の名前を呼んでいたのに、一転して彼女を虎の口に送り込もうとするなんて!
「あなたたち...」楊菁は顔色を変え、一時的に言葉を失った。
「聞いただろう?協力しないと、みんな死ぬことになるぞ」強盗は冷笑した。
楊菁は歯を食いしばって言った。「私に触れようなんて思わないで。殺すなら殺してみなさい!」
二人の強盗はそれを聞いて、即座に大笑いを始めた。
外の乗客たちはさらに怒り狂った!
「楊菁、なんてあなたは自分勝手なの?」
「そうよ、私たちを道連れにする気?」
「あなたのファンだったのに、もう脱ファンよ!」
「早く協力しなさい。さもないと許さないわよ!」
群衆の叫び声に、二人の強盗の笑みはさらに濃くなった。
一方、楊菁は死人のように青ざめていた。
彼女は歯ぎしりしながら言った。「金目当てだけだって言ったじゃない。約束が違うわ!」
「ハハハ、強盗に道理を説くのか?頭がおかしいんじゃないか?」二人は笑い転げた。
「皆さん安心してください。俺たち兄弟が肉を食べるなら、スープくらいは分けてあげますよ」その後、強盗は外の乗客たちを見た。
多くの乗客たちの目が一斉に輝いた!
これまでテレビでしか見られなかった楊菁を、まさかこんな形で見られるとは!
災い転じて福となすとはこのことだ!
「あなたたち...」楊菁は体を震わせながら、思わず秦玉を見た。
しかし秦玉は相変わらず動じる様子もなく、まるで何も聞こえていないかのようだった。
この瞬間、楊菁は完全に絶望した。
「無駄な抵抗はやめな。安心しろ、スター様。気持ちよくしてやるからよ」そう言って、二人の強盗は色めいた目つきで楊菁に近づいていった。
その時!
楊菁の隣にいた秦玉の体から、突然金色の光が放たれ始めた!
その光は強くはなかったが、強盗たちの注意を引いた!
「ん?これは何だ?」二人は少し驚いて言った。
「さすがスターだな。こいつは楊菁の特殊効果担当だろう?」その時、一人が気づいたように言った。
「へえ、今の特殊効果はすごいな。まるで本物みたいだ」
二人は秦玉を見つめ、感心しきりだった。
すぐに、秦玉の体から放たれる金色の光が徐々に凝縮され、最後には秦玉の体に纏わりついた。
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