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第164章 強奪

この言葉を聞いて、洪武は突然立ち上がり、驚いた声で言った。「本当なのか?」

若者は急いで頷いて言った。「本当です!今、省都中がこの件について噂しているんです!ほら、ネットにも動画がありますよ!」

そう言って、若者は洪武に携帯を渡した。

洪武は携帯を受け取り、画面を食い入るように見つめた。

画面には、秦玉が煉丹している場面が映し出されていた。

彼が秦玉の手にある青色霊火と、空に浮かび上がった丹雲を見たとき、顔に驚きの色が満ちた!

「急いで、私の霊芝を持ってきてくれ!すぐに秦玉に会いに行こう!」洪武は焦りながら言った。

このような薬師と知り合いになれるなら、たかが一本の霊芝など大したことではない!

同じ薬材でも、薬師の手にかかれば、彼らのような一般の武者が使うよりもはるかに大きな効果を発揮できるのだ!

この時、秦玉はまだ洪武を待っていた。

彼は携帯を見ると、すでに夜の11時になっていた。

「来ないようだな」秦玉の表情は良くなかった。

秦玉にとって、約束を破る人間は非常に嫌いだった。

「私も休むとするか」秦玉は伸びをして、続けざまに何度もあくびをした。

そのとき、洪武の車が建物の下に停まった。

そして、洪武が急いで上がってくるのが見えた。

彼は霊芝を持って、恭しく秦玉に差し出した。

「秦さん、大変申し訳ありません。今日はちょっと用事があって遅くなってしまいました」洪武は申し訳なさそうに言った。

秦玉は洪武を一瞥し、皮肉っぽく言った。「用事があったのか、それとも私を試そうとしていたのか?」

洪武の表情が少し変わり、急いで首を振って言った。「秦さん、本当に用事があったんです。そうでなければ、必ずもっと早くお持ちしたはずです!」

そう言っても、お互いの本心は分かっていた。

秦玉もそれ以上追及せず、霊芝を受け取って頷いた。「では、洪さん、ありがとうございます」

洪武は手を合わせて言った。「秦さん、冗談を。これはもともとあなたのものです」

秦玉は軽く頷き、洪武も空気を読んで、すぐにホテルを去った。

「この洪武は、本当に損得勘定が働くな」秦玉は霊芝を弄びながら、思わず笑みを浮かべた。

「しかし...この霊芝が手に入ったのだから、損はしていない」手の中の霊芝を見ながら、秦玉の心の中に密かな興奮が湧いてきた。

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