第38章 何が本当の高嶺の花なのか！

5分後、ドアベルが鳴った。

葉辰は、薬材が届いたのだろうと分かっていた。

ドアを開けると、葉辰は外に数人が立っているのを見つけた。運搬作業員はおらず、代わりに二人の老人と一人の少女がいた。

三人は大量の薬材を抱え、地面にも整然と積み重ねられていた。

そのうち二人は葉辰が知っている人物で、朱仁德と彼の孫娘の朱子萱だった。

もう一人の老人は知らなかったが、その気配から自分と同じような人物だと感じ取れた。

「朱おじいさん、德仁堂は作業員も雇えないほど困っているんですか？自ら配達までして」と葉辰は冗談めかして言った。

朱おじいさんは苦笑いしながら説明した。「葉先生、本来ならばお邪魔するつもりはなかったのですが、作業員が薬材を粗末に扱うことを心配して、私が直接子萱と友人を連れて来ました...もしご迷惑でしたら、どうかご容赦ください」

「お入りください」

葉辰は三人を招き入れた。

三人は慎重に薬材をリビングの円卓の上に置いた。

三人とも見識のある人物だったが、このような豪華な内装を目にして、少なからず驚いた。

湯臣一品最上階の家賃は並の人には手が出せないもので、一般の江城の別荘よりも恐ろしい金額だった。

朱仁德は今日、葉辰がタクシーで德仁堂に来たのを見て不思議に思っていたが、今この住まいを見て納得した。

どうやらこの若い宗師は外では目立たないようにしているようだ。

朱子萱も中に入って少なからず驚いた。彼女の印象では、葉辰は服装も雰囲気も貧しい人のようだったが、今見ると、葉辰の裕福さは彼女をはるかに超えていた。あの日、自分が田舎者と散々罵ったことを思い出し、朱子萱は顔が火照るのを感じ、穴があったら入りたい気分だった。

湯臣一品最上階に住む人が田舎者なら、朱子萱の自分は一体何なのだろうか？

三人が全ての薬材を運び入れた後、葉辰は水を出そうと思ったが、この部屋は引っ越したばかりで水がないことに気づいた。まさかプールの水を飲ませるわけにもいかない。

「あの...申し訳ありません。ここはあまり住んでいないので水がなくて...下に買いに行きましょうか？」

朱仁德は首を振って「葉先生、私たちは喉が渇いているわけではありません...実は他にも用件が...」

葉辰は彼らに他の目的があることを察していた。ソファに座り、淡々と「話してください」と言った。