日曜日の明け方、りくやはアパートの通路で早起きして家賃を集める家主に会った。
「小陸ちゃん、昨日の夜、なんか変な音、聞いてない?」
「え?昨日は早く寝たんで、具体的に何ですか?」
「私もよく分からない...。たくさんの人たちが、変な現象とか、通路の中の電気がどうしてもつかないって言ってるんだ」。
「うちのエレベーターは地下一階だけだけど、たくさんの借り手が地下二階のボタンが見えるって言ってた…。」
「大丈夫ですよ、柳姐さん。多分電球が壊れてるんだと思うから、後で見に行きますね。」とりくやは笑って言った。
柳姐さんは安心して深呼吸し、優しく言った。「私は今日アタマのスープを煮込んでいます。後で吸盤魔偶に送ってもらうわね!」
りくやは頷いて、廊下の先に半分行ってからやっと反応が来て、顔色が変わった。
「魚の頭のスープ... 鯉魚王で煮込んだんじゃないだろうな?!」
六階建ての古いアパートで、エレベーターは貨物用で、電気の故障も普通だ。
りくやは1階に来て、電気のスイッチを調べ、ついでに電球も変えた。
「変だな、電球はちゃんとしてるはずなのに。」
りくやは頭をかいて、何の気なしにエレベーターに入った。
薄暗い貨物用エレベーターの中は湿気がこもり、広告にはカビがはえていた。
「B1」の下に、くすみがかったわからないボタンがある - 「B2」。
りくやは目をこすり、しかし目の前に「B1」のボタンしか出てこなかった。
「昼間に幽霊にぶつかるのか?」とりくやは唾を飲んだ。
「システム、こんな状況ではどう対処すればいい?」
【おすすめスキル:聖光Lv1、BPポイントが必要:2000、懲戒Lv1、BPポイントが必要:3000、大威天竜lv1、BPポイントが必要:5000】
「懲戒と大威天竜もあるの!?
「まあいいや、今はそれを突っ込んでる場合じゃない - 俺が買えるスキルを出してくれないか?」
【推奨スキル:霊視Lv1、BPポイントが必要:500】
【500BPポイントを使用してスキル「霊視Lv1」を解除しますか?】
「早くする!早くする!」
【残りのBPポイント:260】
【霊視Lv1:視覚を向上させ、小確率で霊体生物を見破ることができます。(あなたの視力は常人とは違いますが、霊視を高めすぎるといいことばかりではないこともあります...)】
りくやはあまり考えず、慎重に周囲を見渡し、額から冷たい汗が流れた。
「何も...ない?」
空っぽの貨物用エレベーターの中で、冷たい風が通り抜ける。カビのにおいがたちこめ、暗黄色の白熱灯が「ガリガリ」と音を立てていた。
警備員の制服を着たおじいさんがエレベーターの外であくびをした。
「若い人、あんたずいぶん長いこと中にいるね…。まさか立ちんぼじゃないだろうな!」
りくやは顔色が変わってエレベーターを出た。
「おじさん、この辺に都市伝説とかない?」
「あるよう。孫娘が教えてくれた。」おじいさんは興味津々。「口裂け女って言って、実は大口の子っていうポケモンがいるんだって。」
「それに、あの猫顔のおばあさん、知ってる? ゾロアークだって!」
「おじさん、やめてくださいよ。」りくやは顔色が変わり、「あなたの孫娘、詳しいんですね!」
「そうさ、俺の孫娘はエリートトレーナーだ!」おじいさんは自慢げ。
「君のこと知ってるよ。6階の借家人だ。ほとんど家を出ないでいるんだろ?」
「若いのに、トレーナーになって名声と地位を築かずに、家でちっちゃいアナウンサーをやってるなんて!」
「ご加護様。」りくやは急いで退散した。
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モンスターショップに行く途中、りくやは今朝の出来事を思い出した。「お化けのような現象ではなく、むしろ幽霊系のポケモンなのだろう.....これは合理的だ」
りくやは唯物論者であった。
まさに、子は怪しい力や異常な神々のことを話さない-格闘系のカイリキーは幽霊系と戦っても強いものだ。
「後で店長さんに何人かエリートトレーナーを呼んでお祓いをしてもらえば問題ないだろう」
息を吐き出し、気持ちを落ち着かせた後、りくやは携帯アプリを開いて近くのショップを検索した。
「昼食には、ここの和食料理店があるが...スローブロのしっぽの刺身、1人前3888元? お邪魔しました!」
「やはり、まずはモンスターボールを買おう」とりくやはつぶやいた。「近くにいくつかの飼育室があるので、後で見て回れる」
システムショップでは、200BPで1つのモンスターボールがあるが、価格が少し高い。
それに比べて、現実の世界での500元のモンスターボールは非常に割安に感じる。
モンスターショップに来て、りくやは残金17000元から2500元を使って5つのモンスターボールを購入した。
しかし、飼育室内では、りくやが気に入った初期ポケモンは見つからなかった。
「イーブイやイワンコはかなり人気のあるポケモンですね」と店員さんは残念そうに言った。「予約しようとしても、6ヶ月前にしないといけません」
「いいです、ちょっと聞いただけです」
前世界の珍重されるペットに似て、イーブイの販売価格は3万、イワンコは5万に近い。
りくやはお金に困っていた。
ニードランやサソドラのような卵はとても安く、2ー300元で一つ選ぶことができ、資質は運に任せます。
鳥ポケモン、ポリゴンやタケシの卵も販売されており、おおよそ2000元ぐらいです。
しかし、りくやは考えました。このような普通のポケモンを買うより、自分で野外で捕まえたほうがお得だろう。
「自分でポケモンを捕まえる場合、必ず安全に注意してください。」店員は顔を真っ赤にして言いました。「最近、けがをする事故が多いニュースです」
イーブイを従える計画は破綻し、りくやはしょうがなく自宅に戻った。
夕日が沈む、薄暗い薄霧が立ち込め、一群のスピアーが空を飛び、かすれた声を上げた。
「ガー!」
りくやはポケットサイズのモンスターボールをじっと見て、ポチっとリモコンを押して、大きくなったモンスターボールを楽しんだ。
自然にエレベーターに入り、りくやの額から一滴の冷たい汗が流れた。
「まずい」
目の前の視界が一瞬にしてぼやけ、風景が突然変わり、まるでこの世界の色調が逆になったかのようだ。
言葉で表現するなら、まるでJOJOの不思議な変色のように―
エレベーターのボタンの列、緑色の怖ろしい血の跡が並ぶ。
頭上の白熱灯が狂ったように揺れ動き、悲鳴のような「ガーギー」という音を立てながら、点滅して最後に「ピー」と消えた。
死んだような静けさの中、腐ったようなカビのにおいが鼻を充満し、冷たい陰風が赤い舌でりくやの首にしっかり舐めた。
りくやは身震いした。
自動で閉まるエレベーターの扉は、地下二階まで降りたところでゆっくりと開いた。
[【スピーチLv1】判定 – 大成功!」]
りくやの目の前に蛍光緑が広がり、「鷹の目」のように一目瞭然だった。
今に至るまで、りくやは逆に落ち着いて、無表情で顔を上げた。
大きな目玉と口の笑顔、真っ赤な舌苔、長い舌。
おにがすばやく近くまで来て、りくやをじっと見つめる。目が真っ白で、たった一分間だった。
「カチッ」
突然、白い光が輝いた。
りくやは首を垂れ、震える手で生放送のファングループにメッセージを送った。
「【画像】」
「夜中にお化けに遭ったらどうすればいいですか、オンラインで待機しています、急いで!」